【2020年3月版】コマツの業績は?財務諸表を5分で解説!

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コマツ

こんにちは!今回は先日2020年3月決算発表をしたコマツの財務諸表を確認してみましたのでご紹介します。

※この記事は私個人が同社の決算資料から算出したため、ご参考程度にご覧ください!

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コマツの財務概要

コマツの各財務諸表をまとめてみました。

売上高・利益の推移

コマツの2016年3月期から2020年3月期の売上高・各利益の推移は以下の通りです。

コマツの過去5年の業績推移

※単位:百万円

昨年2019年3月期は、売上高2兆7252億円、営業利益2564億円ともっと大きかったですが、2020年3月期は売上高2兆4448億円(-10.30%)当期利益1538億円(-40.00%)と厳しい結果でした。

ただ、2016年3月期・2020年3月期予測を比較すると
売上高:1兆8,549億円 → 2兆4,448億円
当期利益:1,374億円 → 1,538億円
売上高6000億円、当期利益150億円と成長しています。

貸借対照表の推移

次にコマツの2016年3月期、20120年3月期の貸借対照表を比較してみます。

規模としては、2兆6,146億円→3兆6,536億円1兆円程度拡大しています。

コマツの貸借対照表推移

※単位:百万円

キャッシュフロー計算書

次にキャッシュフローの推移をみていきます。


※SBI証券より引用

前年比で大きく当期利益は減額したものの営業キャッシュフロー自体は好調で現金を積み増していることがわかります。

キャッシュ・フロー(cash flow、現金流量)とは、現金の流れを意味し、主に、企業活動や財務活動によって実際に得られた収入から、外部への支出を差し引いて手元に残る資金の流れのこと
営業キャッシュフローは、商品の販売や仕入れ、経費や人件費の支払いなど企業の営業活動から生じるキャッシュの変動を表示する項目です。
投資キャッシュフローは、設備や自社社屋の購入、現金等の貸付や回収から生じるキャッシュの変動を表示する項目です。
財務キャッシュフローは、営業活動を維持し、必要な投資を行うための資金の調達や返済など財務活動に関するキャッシュの変動を表示する項目です。

コマツの財務分析

上記で見てきた2016年3月期、2020年3月期の財務諸表をもとにコマツを

・成長性
・収益性
・安全性

の3つの観点で比較・分析していきます。

成長性の分析

まずは成長性の分析してみます。
売上は46.92%と大幅な成長となっています。

2016年3月期の決算資料を振り返ってみると”建設機械・車両部門では、北米において一般建設機械の需要を着実に取り込んだものの、鉱山機械の需要低迷に伴う販売減少や中国をはじめとする新興国の需要が大幅に減少し、売上げは前期を下回りました。”とあり中国でのシェアに苦戦していました。

一方で、当時のドル円は120円の時代でした。遠い昔の話のようですね。。

別の指標も見ていきますが、ほかのすべての指標でもプラスになっています。

①売上高の増加率
46.92%
②ROA(総資産利益率)
5.26%→7.02%

総資産利益率(ROA:ReturnOnAssets。略称の読み方はアールオーエー)とは、総資産に対してどれだけの利益が生み出されたのかを示す、財務分析の指標です。負債を含めたすべての資産をいかに効率的に運用できているかを表しています。

③総資産回転率
70.94%→74.59%

「総資産回転率」とは、事業年度において会社の資産をどの程度生かせているかを表す財務諸表上の指標のことである。 回転率は、財務諸表上の売上高を総資産で割ることで求められ、事業年度内に総資産が何度にわたり、全て使われ売上をもたらしたかを示す。 総資産回転率が高いほど会社の資産が効率的に活用されていると判断される。

④売上高利益率
7.41%→9.41%

売上高利益率とは、売上高のうち何%を利益として残すことができたのかを示す指標をいいます。 定 義:売上高に対する売上総利益の割合。 粗利とも呼ばれます。 売上高売上総利益率が高い方が、競争力があることになります。

図解すると下記の通りです。

◾️2016年3月期(単位:百万円)

◾️2020年3月期(単位:百万円)

収益性の分析

次に、どれだけ利益を出せる体質化という収益性を見ていきます。

①ROA 【総資産】利益率
5.26%→7.02%

②ROE 【自己資本】利益率
16.15%→7.40%

負債を含めた①ROAでは少し改善していることがわかります。
一方で、自己資本だけに絞った②ROEだと、大幅に利益率が低下しています。負債のレバレッジを活用した経営をしていることがわかります。

安全性の分析

最後に安全性を見ていきます。

①自己資本比率
60.73%→50.80%

上記の通り負債を増やした経営をしており、自己資本比率は10%低下しています。

自己資本比率とは、返済不要の自己資本が全体の資本調達の何%あるかを示す数値であり、<自己資本÷総資本(自己資本+他人資本)>の式で算出します。 自己資本比率が小さいほど、他人資本の影響を受けやすい不安定な会社経営を行っていることになり、会社の独立性に不安が生じます。

②流動比率
197.81%→168.03%

200%近くあった流動比率ですが、168%に低下しています。まだまだ大丈夫ですが、注意が必要ですね。

流動比率とは、1年以内に返済が必要な負債(流動負債)に対して換金性の高い資産(流動資産)でまかなえているかを確認する指標です。100%以上であれば賄えているといえます。

③固定比率
77.35%→91.96%

固定比率は100%は何とか下回っていますが、負債の割合が増えていることもあり、注意が必要です。

固定比率とは、土地や建物などの固定資産を自己資本だけでまかなえているかを確認する指標。低いほど良い。

④固定長期適合率
64.18% →68.41%

こちらも100%を下回っており、5年前とほぼ変わっておらず問題なさそうです。要するに長期負債で固定資産を購入しているため、直近の資金繰りが厳しくなるということはなさそうです。

固定長期適合率とは、固定資産を自己資本と長期負債でまかなえているかを確認する指標。低いほど良い。

⑤手元流動性比率
68.74%→109.03%

5年前は、月商の1か月分の流動資産が確保できていませんでしたが、現状は109%と1か月分を確保することができています。

手元流動性比率は、換金性の高い流動資産を一月当たりの売上高で割ったものです。手元流動性比率が高いほど資金に余裕があり、低いと資金繰りがきついことになるから短期的な支払余裕度を示す指標である。資金繰りの良し悪しを見る指標とも言えるだろう。

 

 

まとめ

今回は、建機メーカー大手のコマツの財務分析をしてみました。
5年前と比較すると、
・売上、利益率などは大きく改善
・負債の比率が増えている。
・キャッシュフロー、資金繰りに心配はなさそう

ということがわかりました。

コマツはもともと中国のシェアが大きかったですが、現状は競合企業との競争が激しくシェアを減らしています。一方でコマツは、同社が開発した建設機械の情報を遠隔で確認するためのシステムKOMTRAX(コムトラックス)でIot、工事進捗の見えるかによるファイナンスなど市場を変える仕組みを作ろうとしています。
創業100周年にあたる今期にコマツの躍進を影ながら期待しています。

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以上です。

 

補足
今回の記事は、100分でわかる! 決算書「分析」超入門2020をもとに分析を行ってみました。2時間程度で読めて全体感がつかめるため、おすすめです。

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