2025年4月18日、星野リゾート・リート投資法人(3287)がわずか1日でIR資料を4本もリリースしました。
REITに慣れていない人には少しハードルが高く感じるかもしれませんが、今回の内容は「攻め」と「守り」が絶妙に絡み合った、まるでゲームの大型パッチノートのような一日。

この記事では、投資初心者にもわかりやすく、そして実際に保有している投資家目線で、この「4本同時リリース」の全貌を読み解いていきます。
目次
1. きょうのポイントを一言でまとめると…
「分配金が6,000円へ上方修正、その中身は“高利回り物件”と“賃料改定”がカギ」
これだけ聞いてもポジティブな内容ですが、さらに驚くべきは、同時に財務の再設計やESG対応、コストの見直しまで着手している点。
まさに**「攻めながら守る」理想のIR**がそろい踏みです。
2. 筆者のリアルな保有状況
保有口数 | 取得単価 | 現在値 | 評価額 | 損益 | 損益率 | 本日騰落 |
---|---|---|---|---|---|---|
2口 | 354,500円/口 | 209,200円 | 418,400円 | ▲290,600円 | ▲40.99% | +1.95% |
正直、まだ含み損は大きいです。ですが今回のIRで、分配金増額とポートフォリオの入れ替えによる回復シナリオが見えてきたのは大きな安心材料。ひとまずホッとしています。
3. 一日で4本!リリース内容を順にチェック
3-1. 分配金が6,000円に上方修正!
-
営業収益:86.28億円(前回比+3.8%)
-
当期純利益:35.11億円(同+11.1%)
-
一口あたり分配金:6,000円(+600円)
ポイントは、この増額が「一時的な特益」ではなく、実際の収益構造の改善によるものという点です。
3-2. “低利回り”から“高利回り+温泉付き”へ資産入れ替え
-
OMO7旭川(利回り1.2%)を売却し、ホテルWBFグランデ旭川(利回り6.2%)を取得
-
the b 赤坂など5物件では賃料体系を「過去実績連動」→「当月実績連動」へと変更
-
OMO7高知では、5年間の割増固定賃料契約を獲得(敷金の先払いと引き換え)
つまり:
収益性の低い資産を手放し、即効性のある“稼ぐ物件”に入れ替えたというわけです。
3-3. 金利を“固定化”+グリーンローンでESG投資対応も!
-
借入金45.7億円のうち、9億円をグリーンローンで調達
-
金利はTIBOR+0.375%程度をスワップで固定
-
三井住友信託銀行も新たにレンダーとして加わることで、銀行団を強化
金利上昇リスクを抑えながら、ESG資金を呼び込む布石とも言える一手です。
3-4. コミットメントラインをスリム化、コストを削減
-
緊急時の借入枠(コミットメントライン)を60億→30億円に縮小
-
未使用手数料を軽減し、ムダなコストをカット
-
シンジケート団(銀行の連合体)は維持し、資金調達リスクは限定的
「守り」の面でも着実な一歩です。
4. 数字で見る「攻め」と「守り」の成果
項目 | 従来予想 | 今回修正 | 増減 | 主因 |
---|---|---|---|---|
営業収益 | 83.15億円 | 86.28億円 | +3.13億円 | 高利回り物件の収益寄与 |
当期利益 | 31.60億円 | 35.11億円 | +3.51億円 | 売却益・賃料改定 |
分配金 | 5,400円 | 6,000円 | +600円 | 資産入替えと賃料改定 |
注目ポイント:
特損や一時益ではなく、「構造的な増益」であること。持続可能性の高さが光ります。
5. 初心者投資家が押さえるべき3つのポイント
● 分配金は“増配トレンド”入り?
今回の増配は単発ではなく、**契約変更や高利回り資産への入れ替えによる「仕組みそのものの改善」**です。
● ポートフォリオの質が改善
インバウンド需要を受けつつ、より収益性の高い物件比率が上昇。キャッシュフローの安定性も期待できます。
● ESG投資の受け皿に
グリーンローンの導入で、金利リスクを低減しつつESG投資家の裾野を拡大する仕掛けができています。
6. 筆者が次に注目しているポイント
時期 | イベント | 見るべきポイント |
---|---|---|
2025/5/1 | WBF旭川・CI新潟亀田の取得完了 | NOI(純営業利益)・稼働率 |
2025/10期決算 | 初の6,000円配当が実現するか? | EPS・LTV・稼働率の推移 |
2026/4〜5 | 借入枠の返済時期 | リファイナンス時の金利水準 |
まとめ:分配金の“中身”に注目すべし
今回のIRは、「利回りで攻め、金利固定化で守る」という非常に明快な戦略でした。
含み損が続いている私としても、6,000円配当の実現が現実味を帯びた今、ホールド継続を決意しました。
投資初心者の方も、表面的な分配金の数字だけでなく、その“源泉”に注目することで、より良い投資判断ができるはず。
次回の決算では、今回の取り組みがどう結果につながってくるのか、ぜひ一緒に見守っていきましょう。
コロナ禍では、− 50%超の評価損だったんでこれくらいのマイナスにならないです笑
分配金をいただきつつホールドしていきます!

※2020年は2分割前の株価です。
以上です。
コメント