米半導体大手エヌビディアが発表した2025年5〜7月期(第2四半期)決算は、売上高464.7億ドル(前年同期比+56%)、調整後EPS(1株利益)は1.05ドルと市場予想を上回りました 📈。
ただし注目のデータセンター部門は411億ドルとわずかに予想未達。
AI向けサーバー需要の大黒柱だけに「成長鈍化では?」という声が市場で出ています。
一方で、ゲーミング部門は過去最高を更新しました 🎮。
また、自社株買い600億ドル追加という株主還元策も発表。
企業の稼ぐ力(フリーキャッシュフロー)は安定しているものの、中国向けの売上(H20チップ)は見通しに含まれず、米中関係の不透明感は続きます 🇨🇳🇺🇸。
目次
市場全体への波及
決算発表を受けた米株市場では、「強いが完璧ではない」との評価で時間外株価は小幅安。
AIブームの中心銘柄だけに、海外株全体に心理的な影響を与えました。
日本株も例外ではなく、半導体や電子部品などグロース(成長)銘柄は値動きが大きくなる可能性があります。
一方で、高配当株やバリュー株は資金の受け皿として再評価されやすい地合いです。
為替市場では、米景気が強いと見ればドル高円安要因に、逆にリスク回避局面では円高要因になるという「両にらみ」。
個人投資家にとっては、株式と為替が同時に揺れるタイミングこそ、配当の安定性が光る局面といえます 💡。
日本の高配当セクター別の影響
| セクター | 今回の決算から見える流れ | 投資スタンス(高配当投資家向け) |
|---|---|---|
| 📡 通信(KDDI, NTT, SB) | AI普及でデータ通信量増加。データセンターや光回線投資が追い風 | 買いに前向き。配当+インフラ成長を同時に取れる。 |
| ⚡ 電力・エネルギー(Jパワー, INPEX) | データセンター電力需要の急拡大。再エネ・送電網強化も課題 | 買い検討OK。ただし燃料・為替リスク管理は必要。 |
| 🏦 銀行(MUFG, SMFG) | 金利上昇+AI関連インフラ融資ニーズ増。利ざや拡大 | 買い優位。株主還元も厚くなりやすい環境。 |
| 🌍 商社(三菱商事, 伊藤忠 等) | DC不動産・再エネ・資源に強み。インフラ投資の上流で稼げる | 長期で安心して保有。市況リスクはあるが分散事業で吸収力あり。 |
| 🏢 REIT/インフラ | 金利上昇は逆風。ただしデータセンターや物流特化は需要堅調 | 銘柄選別が必須。金利上昇時の調達コストに注意。 |
個別銘柄の視点
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KDDI・NTT → データ通信量増加の恩恵を直に受ける。配当の安定性と中期的な成長を両取りできるため「買い継続でOK」。
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ソフトバンク → 通信料収益は安定だが、投資回収負担もある。利回りは高めだが「やや慎重姿勢」で検討。
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Jパワー → 電力インフラの受益は大きい。配当は安定しており「押し目買いで良い」局面。
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INPEX → 資源市況と為替の影響を強く受ける。高配当は魅力だが「市況次第で変動」と心得るべき。
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三菱商事・伊藤忠 → 総合力があり、資源やDC投資でも強い。「長期保有向き」。
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三菱UFJ・三井住友 → 金利上昇+貸出需要で強気シナリオ。配当+自社株買いも続いており「買い目線強め」。
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REIT → 全体的には金利上昇の逆風。ただし「データセンター特化型」は構造的な追い風で、銘柄選別が決め手。
まとめ
エヌビディアの決算は「強いけれど完璧ではない」ものでした。これが意味するのは、AIブームそのものは続くが、成長速度や地政学リスクが株価を揺さぶる局面に入ったということです。
日本株投資家にとっては、揺れ動くグロース銘柄よりも、配当という“確実なリターン”をもたらす高配当株の存在感が高まる局面。特に通信・電力・銀行・商社といったインフラ系の銘柄は、AI需要の裏側で中長期的な追い風を受けやすく、買い目線で見て良いセクターです。
一方で、REITのように金利環境に大きく左右される分野は距離を置くか銘柄選別が必要。投資判断は「配当利回り vs. 国債利回り」「事業の安定性」「還元方針」の3点を軸に考えるのが現実的です。
💡 ポイント整理
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エヌビディアの成長はまだ続くが、中国・金利・成長率の鈍化が市場の目線を厳しくしている
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高配当株は「AIインフラの裏側需要」を享受できる分野が多い
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通信・電力・商社・銀行は買いを前向きに検討できる領域
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REITは金利上昇局面では慎重



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