今回はいつもの配当金・資産形成の記事とは少し視点を変えて、
「港区ペイ」という自治体独自の電子商品券について感じたことをシェアします。

目次
みなトクPAYとは?
みなトクPAYは、東京都港区が発行する電子マネー型のプレミアム商品券です。
以下のような仕組みで運用されています。
内容 | 詳細 |
---|---|
発行元 | 東京都港区(運営:港区商店街連合会) |
購入単位 | 10,000円(プレミアム2,000円つき) |
利用可能額 | 12,000円分(20%プレミアム) |
利用店舗 | 港区内の登録店舗のみ |
利用期間 | 発行から約数ヶ月間(都度設定) |
利用形態 | 専用アプリ「minatoPay」でQR決済 |
つまり、実質的には20%の“利回り”が約束されたローカル通貨のようなものです。
それでも“買わない”理由
一見、20%のプレミアムというのは非常に魅力的です。
金融的に見れば、10,000円の投資で12,000円のリターン。
配当利回り20%、しかも元本保証という破格の条件です。
しかし、私は今回購入を見送りました。
その理由は明確です。
① 利用店舗に“自分が使いたい店”がない
確かに近所には利用可能なカフェや飲食店があるのですが、正直なところ「無理してまで使いたい」とは思えませんでした。
普段行かないお店に行ってまで消化するのは本末転倒。結果的に使い残すリスクすら感じました。
② 商品券の“自由度のなさ”
12,000円という金額に縛られて、あまり気乗りしない買い物をするくらいなら、普通に現金で本当に欲しいものに使いたいというのが正直な気持ちです。
「得だから」という理由で動くのは、逆にコスパが悪いと感じました。
③ 趣旨とユーザー目線のギャップ
この制度の本来の目的は、「港区内の商店街活性化」です。
しかし、ユーザーとしては「普段の生活の延長線上で使えること」が第一。
そこにミスマッチがあるように思います。
金融的に“得”でも、心理的には“損”
金融・投資の視点では「+20%」というのは無視できない数字です。
しかし、日々の生活においては「お得感」よりも「使いやすさ」が重要です。
制度の設計が自治体側の都合に寄りすぎると、どんなにプレミアムを乗せても使われないということが、今回のケースから感じ取れました。
おわりに:制度設計の“目線”が問われる時代
全国各地でプレミアム商品券が発行されていますが、結局のところ大切なのは「住民の実感」です。
今回のみなトクPAYを通じて、どんなに条件が良くても、“自分の生活”に合っていなければ無理に使うことはない。そう実感しました。
一方で、このような制度が「地元のお店に目を向けるきっかけ」になる可能性はあると思っています。
私自身、これを機に港区内の店舗マップを眺めることにはなりました。
そういう意味では、制度の副次的な価値はあるのかもしれません。
以上です。
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