2025年、投資界の“神様”ウォーレン・バフェット氏がバークシャー・ハサウェイのCEOを退任するという報道がありました。
彼が築いてきた投資哲学は、長期的に資産形成を目指す私たちにとって、多くの学びを与えてくれます。
今回は、「配当金」に関するバフェット氏の名言と考え方を振り返りつつ、私たちがよく注目する「高配当株投資」との違い・対比について掘り下げてみます。
目次
バフェット氏の配当金に対するスタンス
「配当を出すよりも、再投資で企業価値を高めよ」
“The real question is whether you want to keep money inside the company to compound for shareholders, or pay it out.”
バークシャー・ハサウェイは創業以来、一度も配当を出していません。それは、バフェット氏が企業の利益を株主に「再配分」するよりも、「再投資」して企業価値を増やすことの方が、長期的に株主にとって得であると信じていたからです。
「長く持ち続けることが最大の配当」
“Our favorite holding period is forever.”
バフェット氏にとっての“配当”とは、目先の現金ではなく、企業が内部で利益を活用して価値を高め、それが株価上昇という形で報われることでした。株主還元は必ずしも現金配当である必要はないという立場です。
「資本配分こそがCEOの最も重要な仕事である」
“The allocation of capital is crucial to business success, and it is the CEO’s job to do it wisely.”
企業が得た利益を「配当」「再投資」「自社株買い」などにどう振り分けるか。それが企業価値を左右します。バフェット氏は、配当を出すよりも、CEOが優れた投資判断で資金を使うことの方が価値創造につながると考えています。
「自社株買いは、価値を見極めたうえでの“間接的配当”」
“When companies with outstanding businesses and comfortable financial positions find their shares selling far below intrinsic value, no alternative action can benefit shareholders as surely as repurchases.”
バフェット氏は配当の代わりに**自社株買い(株式の希薄化を防ぎ、1株価値を高める)**を重視しています。これは株主にとって「目に見えない配当」と言えるでしょう。企業価値と株価のギャップを見極める目が必要です。
「税制上も配当より売却益の方が有利である」
“Dividends are taxed at the time they are received, whereas appreciation in the value of the stock is taxed only when it is sold.”
米国の税制度では、配当は受け取るたびに課税されますが、株の含み益は売却時まで課税されません。そのため、バフェット氏は「配当で利益を出すよりも、株価の上昇で資産を増やす方が合理的」だと指摘しています。
一方、高配当株投資の魅力とは?
バフェット氏の考えと対照的に、多くの個人投資家は高配当株を魅力的に感じています。
高配当株のメリット
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定期的なキャッシュフローが得られる(生活費・再投資原資)
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市場が荒れても収入があるという安心感
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年金代わりとしての使い方も可能
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比較的ディフェンシブな業種が多く、下落に強い銘柄もある
しかし、バフェット氏から見ると…
バフェット氏は、高配当株のように企業が配当で資金を外に出してしまうことによって、再投資や企業価値の増大の機会を失うと考えています。
「優れた再投資先があるなら、わざわざ配当を出す必要はない」というのが彼の持論です。
【まとめ】高配当株 vs バフェット流投資哲学
比較項目 | 高配当株 | バフェット流(無配企業) |
---|---|---|
キャッシュフロー | 定期的に得られる | 株価上昇や自社株買いによるリターン |
短期の安心感 | 高い | 低い(配当なし) |
成長志向 | やや抑えめ | 高い(再投資を重視) |
投資家のタイプ | 収入重視(リタイア層など) | 資産成長重視(若年層・長期保有派) |
銘柄の性格 | 安定志向の成熟企業 | 成長可能性を追求する企業 |
【筆者の視点】バフェットの哲学から得られる教訓
私自身、高配当株を中心に投資を行っていますが、バフェット氏の「再投資での企業価値向上」には大いに共感します。
キャッシュを受け取る安心感と、企業の成長による含み益、どちらも投資家にとって魅力的です。
だからこそ重要なのは、自分のライフステージや投資目的に応じて、両者のバランスを取ることだと感じます。
バフェット氏の退任は時代の一区切りかもしれませんが、彼が残した名言と思想は、これからも私たちの投資判断の道標になるでしょう。
特に私は、積み立てNASAではオルカンに投資を進めています。

まとめ
今回の記事は、バフェット氏の退任というニュースをきっかけに、彼の配当金に対する考え方と、私が目指している「高配当株投資」との違いを改めて見つめ直す機会となりました。
投資スタイルに「正解」はありません。だからこそ、自分に合った投資哲学を育てていくことが大切なのかもしれませんね。
以上です。
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