「長期で安定した高配当銘柄を持ちたい」
そんな投資家にとって、エネルギー関連のINPEX(1605)は魅力的な存在かもしれません。この記事では、最新の決算・配当情報をもとに、INPEXの投資価値を徹底解説します。将来性のあるLNG事業やCCS(炭素回収・貯留)への投資状況も紹介し、長期保有にふさわしいかを判断します。

目次
🛢 INPEXとはどんな企業か?
INPEXは、日本を代表する石油・天然ガスの探鉱・開発・生産企業で、海外プロジェクトにも積極的に投資しています。
中核事業は下記のような大型エネルギー事業です。
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Ichthys LNG(オーストラリア):2024年以降、第3トレインの増設で生産拡大へ
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Abadi LNG(インドネシア):2027年に最終投資決定を目指し、計画量以上の買い手からの引き合いあり
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Bonaparte CCS(オーストラリア):年間1000万トンのCO₂埋留能力をもつプロジェクトが「国家重要案件」に指定
これらの事業は、従来の化石燃料依存から、より持続可能なLNG・カーボンニュートラル事業への転換を象徴しています。
💹 最新の決算と業績推移(2024~2025年)
直近の決算では、5月に下期の業績予測の修正を出しており、少し下ぶれしております。
原油価格の下落によるものや想定よりも円高に触れたことが理由のようです。

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2024年12月期の実績
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配当:中間43円 + 期末43円 = 年間86円
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自社株買い:1,300億円以上(2回実施)
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総還元性向:65%
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2025年12月期の予想
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配当予想:中間45円 + 期末45円 = 年間90円
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増配方針継続中(5期連続増配)
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営業利益はやや下方修正(原油価格の下落影響)
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安定したキャッシュフローに裏打ちされた「増配+自社株買い」の好循環が続いています。
💰 株主還元姿勢と配当利回り
INPEXは配当・自社株買いを含めた総還元重視の方針を打ち出しています。
| 指標 | 数値(2025年予想) |
|---|---|
| 年間配当金 | 90円(予想) |
| 株価(7/14終値) | 約2,070円 |
| 予想配当利回り | 約4.35% |
| 配当性向 | 約25%(総還元性向は50%超へ) |
| 自社株買い | 2024年に800億円+500億円規模 |
株主還元策は以下のように進化しています:
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2022~2024年:総還元性向40%+配当下限30円
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2025~2027年:配当下限90円+還元性向50%超+柔軟な自社株取得
これにより、**「高配当+安定性+長期的増配期待」**の三拍子が揃っているといえます。
📉 現在の株価と評価
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株価水準:約2,070円(2025年7月時点)
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PER(予想):約6倍
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PBR:約0.54倍
株価は一時2,500円台まで上昇しましたが、現在は原油価格の調整と業績見通しの下方修正により、やや割安な水準まで戻っています。
PER6倍&PBR0.5倍という水準は、「資本効率が低いが、収益安定・資産が豊富」な企業の典型例です。
🔮 今後の成長・リスク要因
ポジティブ材料
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LNG案件の買い手が活発(Abadiなど)
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炭素回収技術など脱炭素へのシフト
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円安による外貨建て収益の押し上げ効果
リスク要因
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原油価格の急落による収益減
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政策変動リスク(例:環境税など)
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海外プロジェクトの進行遅れ
→ 投資判断では、「資源価格の変動に強い長期耐性」があるかがカギです。
✅ まとめ:INPEXは高配当長期保有に向いているのか?
| 評価軸 | 結論 |
|---|---|
| 配当利回り | 4%超で高水準 |
| 配当方針 | 累進増配・下限90円・高い安定性 |
| 株主還元 | 柔軟な自社株買いも実施 |
| 成長戦略 | LNG・CCSで将来性あり |
| 割安度 | PER・PBRともに割安水準 |
結論:INPEXは「安定した高配当株」として長期保有に向いている銘柄です。
原油・天然ガス価格の影響を受けやすい側面はありますが、それを補って余りある配当政策と、将来の脱炭素戦略への取り組みが魅力。
今後のエネルギー需給や地政学的リスクも加味しながら、ポートフォリオの中核銘柄として注目に値する企業といえるでしょう。
以上です。




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