フジ・メディアHDが2025年11月10日に発表した2026年3月期第2四半期決算は、地上波広告の回復と投資有価証券売却益により大幅増益。通期純利益は185億円へ上方修正し、同時に最大500億円・9.5%規模の自社株買いを発表しました。

株価は翌日3,500円台まで上昇し、市場は還元強化を評価しています。
一方で、営業損益は赤字が続いており「本業の収益力回復」はこれから。
私は現時点では保有なしですが、PBR1倍割れの水準で“資本政策による再評価狙い”として注視したい銘柄です。
目次
決算ハイライト(2026年3月期 第2四半期)
| 項目 | 実績 | 前年同期比 | コメント |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,486億円 | ▲7.2% | 広告収入の減少が響くが下期は持ち直し傾向 |
| 営業損益 | ▲129億円 | ― | 前年+139億円から赤字転落 |
| 経常損益 | ▲109億円 | ― | 費用コントロールで赤字幅を抑制 |
| 純利益 | 171億円 | +35.8% | 投資有価証券売却益が寄与 |
| EPS | 82.8円 | ― | 本業赤字ながら増益 |
コメント:
上期はフジテレビの広告収入が想定を下回ったものの、費用削減が進み赤字幅を抑制。投資有価証券の売却益により最終利益は黒字転換しました。
通期予想・修正のポイント
| 項目 | 修正後 | 修正前 | 増減 | 主な理由 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 5,443億円 | 5,466億円 | ▲23億円 | 地上波広告の構成見直し |
| 営業損益 | ▲105億円 | ▲120億円 | +15億円 | 費用コントロールの効果 |
| 経常損益 | ▲74億円 | ▲85億円 | +11億円 | 広告収入回復・費用削減 |
| 純利益 | 185億円 | 165億円 | +20億円 | フジテレビ広告収入の回復 |
| 年間配当 | 50円(中間25円+期末25円) | 据置 | ― | 安定配当を維持 |
コメント:
地上波広告の回復が想定を上回ったことで、営業赤字幅を縮小。通期では4年ぶりに最終黒字に転換見込みです。配当は据え置きながら、自社株買い発表で実質的な還元強化に踏み出しました。
保有状況と株価評価(2025年11月11日時点)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 株価 | 3,564円 |
| 予想PER | 約40倍 |
| PBR | 約0.93倍 |
| 年間配当 | 50円 |
| 配当利回り | 約1.4% |
| 時価総額 | 約5,300億円 |
| 自己株買い | 最大2,000万株(発行済みの9.5%)/上限500億円 |
評価コメント:
配当利回りは高くないものの、PBR1倍割れの資本効率改善余地と、自社株買い規模の大きさが再評価要因。短期的には株主還元策のインパクトが株価を支えそうです。
今後の注目ポイント
-
フジテレビ地上波広告の持続的回復(スポット収入の伸長)
-
デジタル事業(FODなど)の収益化スピード
-
投資有価証券依存からの脱却
-
ガバナンス改革の継続(不祥事影響の払拭)
-
自社株買いの実施ペース・資本効率の改善効果
投資判断・私のスタンス
配当利回り1.4%は“高配当株”としては物足りません。ただし、PBR1倍割れ・500億円規模の自社株買いという材料は魅力的で、短期的な上値余地があります。
一方で本業(放送・コンテンツ事業)は営業赤字が続いており、構造改革が進まない限り安定的な利益成長は難しいでしょう。私は「押し目狙いのイベント投資」として注視しますが、“配当目当ての長期保有”としては見送りの判断です。
まとめ
-
地上波広告回復で通期黒字転換。
-
最大500億円の自社株買いは市場サプライズ。
-
本業赤字の構造は未解消で、今後の改善がカギ。
-
高配当株としては弱いが、資本政策面で再評価余地あり。
以上です。



コメント