桐谷広人さんの「優待+配当」投資術──公表銘柄から見る実質利回りモデル

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コラム

株主優待投資といえば、やはり桐谷広人さんの名前を思い浮かべる人は多いと思います。
テレビ番組や雑誌でおなじみの桐谷さんは、優待を活用しながら日々の生活を“株で回す”という独自のスタイルを貫いており、その資産規模は現在およそ7億円、保有銘柄は1,400~1,500社にのぼるとされています。
優待銘柄だけでも900社以上。まさに「優待生活の達人」です。

そんな桐谷さんがよく口にするのが「配当+優待で4%以上」という基準。
優待だけを目当てにするのではなく、しっかりと配当も含めて“トータルで利回りを取る”ことを重視しているのが特徴です。
また、優待廃止のリスクについても理解しており、「優待がなくなっても、配当で報いてくれる企業ならホールドする」との考え方を貫いています。


桐谷さんが最近注目している優待銘柄

2025年秋の段階で、雑誌やメディアで紹介されている桐谷さん注目銘柄には次のようなものがあります。
いずれも「新設優待」や「合計利回り4%超」の基準を満たす銘柄が中心です。

  • レントラックス(6045)
     新設優待で話題となった銘柄。100株で年間5,000円分のデジタルギフトがもらえる。
     株価水準を考えると、配当を合わせた合計利回りはおよそ3〜4%前後と想定される。
     優待内容も使い勝手がよく、デジタルギフト系を好む個人投資家にも人気。

  • ニーズウェル(3992)
     QUOカード優待を実施しつつ、配当も安定。情報サービス系の堅実銘柄として紹介されることが多い。
     配当+優待の合計利回りはおおむね4〜5%前後。

  • バルテスHD(4442)
     IT系の成長株ながら優待を導入。半年以上の継続保有条件つき。
     配当利回りは控えめだが、総合で5%近い水準になるケースも。

  • テクノロジーズ(5248)
     QUOカードPay優待で注目。比較的新しい上場銘柄で、優待導入により話題化。
     成長性と優待利回りのバランスで注目される。

  • ジオコード(7357)
     デジタルギフトを年2回実施しており、合計利回りは6%台。
     新設優待として桐谷さんも取り上げていた1社。

  • AB&Company
     美容サロン関連の企業。配当+優待で10%超の利回り水準として紹介されたこともある高利回り銘柄。
     ただし将来の業績次第で変動もあり、利回り水準の維持には注意が必要。

  • JPホールディングス(2749)
     保育関連事業を展開する企業。配当と優待を合わせた利回りが高く、安定銘柄として人気。

  • OCHIホールディングス(3166)
     QUOカード優待を実施しており、配当と合わせて5%を超える総合利回り水準。
     保守的な投資家にも向く優待株の代表例。


桐谷流・優待投資の考え方

桐谷さんの投資の特徴は、生活と投資を完全に一体化させていること。
届いた優待券を使って外食し、もらったカタログギフトで日用品をまかない、もらった配当で次の投資資金を作る。
つまり“お金を回しながら暮らす”スタイルです。

また、膨大な数の銘柄を保有することで、特定銘柄の業績悪化や優待廃止の影響をほとんど受けないようリスクを分散しています。
個人投資家にとっても「一社に頼らず、小さく分けてコツコツ持つ」という考え方は非常に参考になります。

一方で、優待株にはいくつかの落とし穴もあります。
継続保有条件が付くケースや、電子ギフトなど使い方に制限がある優待も多く、
“利回りだけで判断すると意外と得にならない”という点にも注意が必要です。


実質利回りモデルの考え方

桐谷さんの投資基準「配当+優待4%以上」という目安をもとに、
仮に100株保有を前提としたモデルを計算してみると、次のようになります。

例)レントラックスの場合

  • 株価:1,500円

  • 配当:年間24円(100株=2,400円)

  • 優待:年間5,000円分のギフト

  • 合計利益:7,400円

  • 投資額:150,000円

  • 年間利回り:7,400 ÷ 150,000 = 約4.9%

このように、優待を金銭換算して加えることで「実質的な利回り」を可視化でき、
配当重視派の投資家でも“利回り面で納得できる”銘柄を選びやすくなります。


おわりに

桐谷広人さんの投資スタイルは、一見ユニークに見えて、実はとても合理的です。
「配当と優待を合わせて4%以上」という明確な基準をもとに、
生活の中で使える優待を選び、分散し、長期で保有していく。

短期的な値動きではなく、暮らしに直結したリターンを積み上げるという考え方こそ、
本質的な長期投資の形なのかもしれません。

あなた自身のポートフォリオでも、
“優待を生活の中でどう活かすか”という視点で銘柄を選んでみると、
投資がより身近で、楽しいものになるはずです。

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