【高配当×LTVモデル】サイクルベースあさひ(3333)は“買い”か?——EC×店舗受取で粗利ミックスを磨く小売の現在地

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コラム

先日、ネットショップ担当者フォーラム(ネッ担)で紹介された記事に、
「サイクルベースあさひがOMO強化でEC化率18.7%へ」という内容がありました。

自転車のあさひ、OMO強化でEC化率は18.7%(前年同期比2.1ポイント増)、EC売上高は83億円【2025年中間期】 | ネットショップ担当者フォーラム
2026年2月期のEC売上高は前期比11%増の141億円をめざす。EC化率は同0.9ポイント増の16.9%を目標とした。利便性の高いWEBサイト構築や店舗・物流網を活用したOMO戦略をさらに推進し成長につなげる。

この数字、実はかなりインパクトがあります。
自転車という“リアル店舗が不可欠”な商材で、ECが全体売上の約2割に到達しているからです。
しかも、単なるネット販売ではなく、**「注文→店舗受け取り→整備・登録・保険まで完結」**という“来店前提型EC”を確立しています。

これは言い換えれば、「ネットが店に客を送る」モデル
多くの企業がECで“在庫負担”に苦しむ中、あさひはECを利益構造の改善装置に変えつつあります。


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💡 事業モデル:自転車を「売って終わり」にしない設計

サイクルベースあさひの強みは、シンプルです。
自転車を売るだけではなく、乗り続ける仕組みを売る。

構成要素 内容 収益インパクト
🚲 自転車本体販売 シティ・電動・スポーツ車 売上ボリュームの柱
🧰 修理・メンテ 定期点検・パーツ交換・メンテパック 粗利の柱
💳 保険・リユース サブスク・再販売・保証 継続収益
🏬 EC×店舗連携 店舗受け取り・在庫統合・アプリCRM 来店誘導+LTV向上

OMO(オンライン×オフライン統合)によって、
「オンラインで探す→近くの店で受け取る→その後も点検で通う」
という自然なリピート導線が生まれています。

この構造が、**人口減少下でも利益を積み上げる「LTVモデル」**の基盤です。


📊 直近決算まとめ(2025年2月期)

指標 実績値 前期比 コメント
売上高 815.9億円 +4.5% EC・パーツ・修理が牽引
営業利益 54.9億円 +11.7% SPA(自社ブランド)比率上昇
EC売上 127.0億円 +23.1% OMO施策が奏功
EC化率 16.0% → 18.7%(中間期) +2.7pt 店舗受取が拡大中

🏷️ 補足:
SPA比率(自社ブランド構成比)は48%前後まで上昇。
仕入れ依存を減らし、粗利率改善が顕著になっています。


💬 株価・指標(2025/10/10終値)

項目 数値 コメント
終値 1,333円 年初来レンジ:1,219〜1,523円
予想配当 50円 安定配当を継続中
配当利回り 3.75% 適度な高配当ゾーン
予想PER 9.5倍 バリュー株水準
実績PBR 0.84倍 割安圏内(1倍割れ)
ROE 9.3% 安定的な収益性
配当性向 36.6% 無理のない範囲

💬 ファンダメンタル的には「堅実なディフェンシブ株」
景気循環に左右されにくく、業績の安定感が高い点は魅力です。


🔍 テクニカル+バリュエーション分析

株価レンジ別の投資判断シミュレーション:

株価帯 配当利回り 投資判断(目安)
〜1,110円 4.5%以上 積極買いゾーン(逆張り)
〜1,250円 約4.0% 割安ライン(防御的買い)
1,333円付近 3.75% 現状中立(保有・分割買い)
〜1,430円 3.5%以下 割高感(上値警戒)

📈 私なら「1,250円以下」で1回目のエントリー、
押し目で「1,150円」付近を追加買い。
分割投資で平均単価を下げつつ、利回り4%ライン確保を狙います。


💼 中長期の見通しとリスク

成長ドライバー

  • EC化率の上昇(18.7% → 20%超を目指す)

  • 自社ブランド強化(粗利率改善)

  • リユース事業の拡大(買取→再販)

  • CRM強化(公式アプリ会員):年平均+30%ペースで成長中

リスク要因

  • 🇯🇵 国内依存の高さ(売上の90%超が日本)

  • 🌦 天候・季節要因による需要変動

  • 💰 人件費・物流費上昇(整備コストの固定化)

  • 💹 円安による調達コスト上昇(輸入部品が多い)

現状、海外展開は「調達拠点(台湾・中国)」にとどまり、
販売拠点としての海外進出は未計画です。
したがって、今後も国内事業の最適化が主戦場になります。


🌐 今後の注目ポイント(KPI)

指標 現状 注目すべき理由
EC化率 18.7% 粗利構造の改善指標
PB比率 約48% 原価率低下・差別化指標
サービス収益比率 非開示(拡大傾向) 収益安定化の鍵
既存店売上YoY +2〜3%台 OMO施策の成果を見る指標

💭 まとめ:今のあさひは“派手さのない堅実株”

📍 結論
あさひは「爆発的な成長株」ではなく、
“磨かれた安定株”——地味だが崩れないタイプです。

  • 配当利回り3.7〜4.0%のディフェンシブ優等生

  • 財務健全(自己資本比率70%超)

  • LTV型モデルによる粗利の積み上げ型収益構造

🌱 中長期のスタンスとしては「買ってホールド」型が最適
値上がり益よりも、安定配当+着実な再投資効果を享受できる銘柄です。

以上です。

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