目次
はじめに
2025年6月、米FRB(連邦準備制度理事会)は政策金利を4会合連続で据え置きました。

この記事では、FRBの判断材料となる「PCEコア」や「CPI」の違いを初心者向けに解説しつつ、今後の利下げの可能性と、
それが日本の株式市場や為替にどう影響するかを整理します。
🟨 「利下げ」とは何か?なぜ注目されるのか
FRBの「利下げ」とは、政策金利を引き下げること。
企業や個人の借入コストが下がるため、景気刺激策としての役割を持っています。
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✅ 借金がしやすくなり、企業は投資しやすくなる
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✅ 銀行預金の利息が減るため、株式などリスク資産に資金が流れる
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✅ 一方で、金利が下がるとドルの魅力が薄れ、**ドル安(円高)**が進みやすい
🟨 PCEコアとCPIの違いをわかりやすく解説
🔹 CPI(消費者物価指数)とは?
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都市の家計が購入する商品の物価変動を測る指標
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一定の「買い物カゴ」に基づき、定点観測
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📌 一般的なニュースや生活実感で用いられる
🔹 PCE(個人消費支出)物価指数とは?
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米国民全体の実際の支出データをベースに物価動向を把握
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商品の買い替えやクーポン使用など、現実の行動を柔軟に反映
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📌 FRBが金融政策の判断に使うのはPCEコア
指標 | 説明 | 特徴 | 主な用途 |
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CPI | 定点の買い物カゴの価格を追う | わかりやすいが柔軟性に欠ける | 生活者の実感・報道向け |
PCEコア | 実際の支出を分析 | 柔軟で経済実態に近い | FRBが重視する物価指標 |
🟨 なぜ今「利下げ」が議論されているのか?
2025年6月のFOMC(連邦公開市場委員会)では、FRBメンバーの間で次のように意見が割れました:
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「年内利下げなし」:7人
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「2回利下げ」:8人
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「3回利下げ」:2人
これは、インフレが再加速する懸念と、景気後退を警戒する意見が拮抗しているからです。
🔸 インフレ再燃の要因
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トランプ政権の関税引き上げ
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中東情勢の悪化による原油高
特にPCEコアが再び3%台まで上昇予測となったことで、FRBは慎重姿勢を崩していません。
🟩 日本の株式市場や為替への影響は?
🔻 為替市場:円安か円高か?
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米国が利下げすれば → ドル安・円高
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しかし、FRBが利下げを見送る場合 → 金利差が維持され、円安が続く可能性も
📌 今のところ、FRBは「まだ様子見」という姿勢。円安トレンドは当面継続の可能性あり。
📈 日本株への影響
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為替が円安に向かえば、トヨタなど輸出企業が追い風。
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一方で、米国の景気が減速すれば、世界経済全体のリスクオフが進み、日本株にも下落圧力がかかる可能性も。
🟧 投資家として何に注目すべきか?
観点 | チェックポイント |
---|---|
🔍 FRBの次の会合 | 7月・9月のFOMCでの発言・経済見通しに注目 |
📊 米PCE・雇用統計 | インフレ再燃か減速かを見極める材料 |
🛢 原油価格 | 中東リスクにより大きく変動、CPI・PCE双方に影響 |
💬 トランプ発言 | FRBへの圧力が政策変更を促す可能性も(リスク要因) |
🟦 おわりに:経済を読むには「指標の意味を知る」ことから
CPIとPCEは似て非なる物価指標です。FRBの利下げ判断がなぜ難しいのか、背景には「再びインフレが燃え上がるかもしれない」という強い警戒があります。
私たち日本の投資家も、金利・為替・インフレの連動を意識して、自分の資産運用や生活防衛を考える必要がある時代です。
以上です。
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