11月4日、商船三井が2026年3月期第2四半期決算を発表しました。
市場の予想を下回る内容となり、株価は一時5%近い下落。
私自身も100株を保有しており、決算を受けた動きと今後の展望を整理します。
目次
減速した収益、慎重なガイダンス
今回の決算で最も目立ったのは利益の大幅減少です。
売上高は8,697億円と前年同期比3.4%減、経常利益は1,146億円で前年から実に54%の減益。中間純利益も1,162億円と同じく半減しました。コンテナ船事業が大きく落ち込み、海運市況の軟化が直撃した形です。
特に、主力のコンテナ船セグメントでは前年同期1,309億円の利益が、今回はわずか225億円まで縮小。燃料価格の下落や円安効果では補いきれず、ドライバルクでも市況変動の影響を受けています。一方で、LNG船などのエネルギー輸送は比較的安定していますが、全体として減益基調は鮮明です。
通期見通しは下方修正
会社は同日、通期予想も引き下げました。
経常利益は従来の1,700億円から1,520億円へと約11%下方修正。当期純利益も1,800億円と前年比57%の減益見通しです。市況の回復を慎重に見積もっており、下期の業績回復は限定的と判断しているようです。
為替前提は1ドル=145円前後。コンテナ運賃の戻りが弱いことや、ドライバルク市況の不安定さを織り込んだ現実的なガイダンスといえます。
減益でも配当は増額──株主還元の姿勢を維持
一方で注目すべきは配当の増額です。
商船三井は年間配当を175円から200円へ引き上げ、上期85円・期末115円としました。業績が厳しいなかでも配当性向を38%とし、株主還元を重視する姿勢を維持しています。
この水準は、現在の株価(4,357円)ベースで利回り約4.6%。取得単価ベースで計算すると私の場合は**約6.1%**となり、配当株として十分魅力的な位置づけにあります。
株価水準と投資判断
本日の終値4,357円は前日比で226円安。評価益はまだ+108,000円ありますが、短期的には決算内容を嫌気した売りが優勢でした。
それでも、通期EPS見通し(523円)をもとにするとPERは約8倍と依然として割安水準にあります。
減益局面とはいえ、長期的に見れば底値圏に近い水準と言えるかもしれません。
市況依存度の高い業種ゆえにボラティリティは避けられませんが、同社はエネルギー船や不動産など安定収益の柱を拡大中。徐々に体質をディフェンシブに変えている点は評価できます。
今後の見通しと私のスタンス
短期的には、コンテナ運賃やドライバルク市況の反発が確認できるまで上値は重そうです。
しかし、配当200円という下支えがあるため、下値余地も限定的。個人的にはホールド継続が妥当と考えています。
もし株価が4,000円を割り込み、配当利回り5%に近づく場面があれば、買い増しの好機となる可能性もあります。
中長期では、物流・エネルギー輸送という社会インフラを支える企業としての地位は揺らぎません。配当再投資を通じて安定収益を積み上げていく方針に変わりはありません。
まとめ
今回の商船三井の決算は「業績悪化+配当増額」という一見ちぐはぐな内容でしたが、裏を返せば同社の株主還元への強い意思表示ともいえます。
市況要因で揺れる局面こそ、こうした大型海運株の「配当の粘り強さ」が光るとき。焦らずに中期目線で向き合うのが良さそうです。




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