目次
はじめに
昨日のキヤノン(7751)が第3四半期(Q3)決算を発表し、本日(2025年10月28日)は株価が約5%下落しました。今回は、私がいつも使っている「決算短信の裏技読み(斜め読み/見通し/差分比較)」のフレームで、今回の決算内容と今後の見通しを整理。最後に、私の保有状況(200株)とテクニカルの観点からの行動方針、配当の確認まで一気にまとめます。
1|今回のキヤノンQ3決算の要点(最速把握)
-
売上は堅調だが、利益面は逆風の影響を受けた構図。
需要先送りや追加関税などの影響が続く一方、カメラやネットワークカメラは伸長。インダストリアル(半導体・FPD装置など)が20%超の増収と明確にけん引。 -
通期の見通しは一部下方修正。
追加関税や地政学リスクを織り込み、営業利益・純利益のガイダンスを引き下げ。 -
ただし株主還元は強化。
年間配当は**160円(期末90円)**へ増額し、還元姿勢は明確。
※詳細は次章で“見通し”と合わせて整理します。
2|「今後の見通し」から読む会社のスタンス
通期ガイダンスは保守化したものの、会社は**第4四半期の売上過去最高水準(四半期で1兆3,000億円超、営業利益率11%台目標)**を掲げ、カメラ・ネットワークカメラ・装置系の受注消化に自信を示しています。
一方で、追加関税や投資先送りという外部逆風も明示。メッセージ全体は「短期は逆風を吸収しつつ、中期の成長テーマは維持」というトーンです。
3|差分読み:過去の決算との文言・数字の変化
-
装置・インダストリアルの記述が“準備・拡大”から“本格化・台数増”へシフト。
半導体後工程や先端成膜、FPD向けの台数記述が増え、数量の手応えが読み取れるようになっています。 -
逆風の明確化。
関税・地政学要因による投資判断の先送りは、Q2より強めに言及。**“外部要因を織り込みつつも、年末商戦の積み上げで走り切る”**という構図に変化。 -
株主還元の積み増し。
年初想定から期末配当を引き上げ、年間160円へ。ガイダンス修正と同時に還元で下支えする設計に見えます。
4|私の保有状況と今回の下落の受け止め
私は200株保有。今日は約5%の下落でしたが、保有コスト(取得単価)に対しては含み益を維持しています。
今回の下落要因は、利益ガイダンスの引き下げに対する失望が主因と見ます。ただ、決算本文の中身は「構造的な弱さ」ではなく一時的逆風の織り込みで、装置・イメージング・ネットワークカメラの成長シナリオは継続。配当の増額も同時に示されており、長期ホルダー視点では耐えるシーンと評価しています。
5|テクニカル視点:追加購入は?(私のルール)
-
短期:ガイダンス下方修正直後のギャップダウンは、2~3営業日リバウンドの有無を確認してから。
-
中期:25日線・75日線の位置関係と出来高を確認。出来高を伴う下ヒゲ+翌日の続伸があれば、分割エントリーを検討。
-
長期:装置・イメージングの勢いに変調が出ない限り、押し目での買い下がりを許容。
※今回は“下方修正の中でも配当増額”という材料があるため、機械的売りに押されやすい初動後の落ち着き待ちが自分の型です。私は本日すぐの買い増しは見送り、明日以降の値動きと出来高を確認します。
6|配当と利回りの確認(今回のアップデート)
-
年間配当:160円(中間80円+期末90円)
-
本日終値ベースの利回り(概算):
たとえば終値が4,398円なら、利回りは約3.6%(=160÷4,398)。 -
私の保有200株の年間配当(税引前):32,000円。
ポイント:ガイダンスは引き下げつつも、配当は増額・維持方針。還元姿勢は一貫しており、下値不安に対するバッファとして機能します。
7|投資家への示唆(まとめ)
-
ネガティブ:追加関税・地政学要因による投資先送りで、短期の利益はブレやすい。ガイダンス下方修正で、当面は株価に重し。
-
ポジティブ:装置(半導体・FPD)/イメージング/ネットワークカメラの伸長は継続。年末商戦の積み上げ+配当増額で、ホルダーは腰を据えた対応が合理的。
-
私の行動:初動買いは避け、出来高とローソク足の改善を確認しつつ段階的に追加。配当再投資と合わせて、**中期のテーマ(装置×イメージング×監視カメラ)**を追います。
以上です。




コメント