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はじめに:いま、なにが起きているのか
日経平均は2025年9月16日に史上初の4万5,000円台に到達しました。
一方で「生活は楽になっていない」という実感は根強い。
この“ねじれ”に真正面から答えようとするのが、藤代宏一さんの新書『株高不況』(青春新書インテリジェンス)です。
以下にはネタバレを含みますのでご注意ください。
本書の要点(要約)
1) キーワードは「名目」と「実質」のズレ
インフレ環境では名目の売上・利益(=金額)は伸びやすく、そこに連動しやすい株価は上がる。
一方、実質賃金や実質消費は回復が遅れ、暮らしの体感は良くなりにくい。
つまり「名目は堅調、実質は重い」が現在の姿だ、という整理。
2) 企業の“稼ぐ力”はグローバルで鍛えられている
日本企業は海外売上・海外生産の比重を高め、為替や海外需要の追い風を取り込みやすくなっている(海外生産比率・海外売上高比率はこの10数年でおおむね3~4割台で推移)。
指数に占める製造業比率が高い日経平均は、海外収益の改善を敏感に織り込みやすい。
3) ガバナンス改革→株主還元の拡大
東証の資本効率要請も追い風に、自社株買い・増配が加速。2024年度の自社株買いは過去最高、25年度も高水準が続く見通し。需給面で株価の下支えになっている。
4) 労働供給の“令和の転換点”
高齢化と人手不足で労働供給に構造的制約。
企業は賃上げや省人化投資に動かざるを得ず、賃金の上昇トレンドが続く可能性がある。生活感は遅れて改善するが、名目面の押し上げ圧力は残る。
他の読者レビューの声(要旨)
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データで“ねじれ”を解説していて分かりやすい。名目と実質の視点に腑に落ちる。
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投資ハウツー本ではない。市場で即「儲かるコツ」を授ける本ではなく、相場と生活の関係を丁寧に整頓してくれる内容。
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相場環境の地図として有用。セクター差やシナリオを考える土台になるとの評価も。
私の気づき(読後メモ)
私は株高不況を読んで、下記の気づきを得ることができました。
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インフレ・ヘッジとしてのリスク資産
現金だけを握るリスクが上がっている。家計金融資産の構成を見ると、日本は現金・預金が約5割、株式・投信は約2割。一方の米国は株式・投信が5割超。日本人が“現金厚め”すぎるのはデータにも表れる。 -
日本株の上昇は“バブルと異質”
企業の稼ぐ力や海外収益、株主還元の拡大というファンダが土台。だからこそ「名目が強い→株は強い」「実質は遅れて改善」という見立てに納得感。 -
自分の資産配分を“ねじれ”前提で最適化
生活費は月15~20万円で回る。現金300〜500万円(生活費1年分+IPO/クロス用の弾)をバッファとして確保し、総資産4,000万円のうち3,500万円をリスク資産(高配当株+オルカン)へ。
NISAに毎月10万円を自動積立、個別株は下落局面や優待イベント時に狙い撃ち。
この運用動線なら、リスク資産比率70〜80%への段階移行も現実的。
データの背景(2段だけ事実確認)
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日経平均は4万5,000円台到達(2025/9/16)。
名目の強さ(インフレ+企業収益)と、株主還元・政策期待が支え。 -
日本の家計は“現金厚め”、米国は“株厚め”
日本は現金・預金約50%、株式・投信約19%。
米国は株式・投信約56%。
長期の資産形成で差がつきやすい構図。
私たちが取るべきアクションプラン
本書を読んで得た気づきとして、インフレで目減りしにくい家計の“資産設計”に刷新する と言う考え方が大切だと感じました。
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現金バッファの“目的別”仕分け
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①生活防衛費:月20万円×15〜25カ月=300〜500万円
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②イベント資金:優待クロス・IPO用として別口座に。
これ以外は投資用に明確化。
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NISAの自動積立を“生活と同列の固定費”化
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オルカンへ毎月10万円を淡々と。余力が出た月は増額。
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年1回リバランス(目標70〜80%株、±5%ズレで調整)。
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高配当ポートの“質”を点検
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増配姿勢・還元方針(配当+自社株買い)を重視。
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減配リスクや資本効率が弱い銘柄は入替候補。
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円だけに偏らない
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外貨建て(オルカン)で通貨分散。円高時は追加投資、円安深掘れでは無理をしないで定期買い継続。
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“賃上げ持久戦”のシナリオに備える
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人手不足→賃金上昇→価格転嫁という構図は簡単に逆回転しない。
賃金と価格の上昇が共存する前提で、生活費と投資額の年次見直しをルーティン化。
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下落局面の“行動ルール”を先に決めておく
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個別高配当は配当利回りの目安(例:自分基準で3.5%/4.0%/4.5%)に達したら段階買い。
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指数が**▲10%でNISA臨時増額、▲20%でさらに追加、など事前に数値化**。
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まとめ:株と生活の“ねじれ”は、設計次第で味方になる
『株高不況』は、「名目は強い、実質は重い」という二層構造を丁寧に解きほぐし、インフレと資産形成のつながりを地図にしてくれる本でした。
私自身は、
・現金300〜500万円の堤防を築いくことを前提に
・NISA×オルカンの自動積立+高配当の質重視へ。
・70〜80%の株式比率に段階移行しつつ、下落時の行動もルール化。
ということが実践できれば良いかなと思いました。
「暮らしの実感」が追いつくまでの時間差を味方にする設計で、粛々と積み上げていきます。
以上です。



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