最近、「プラチナNISA」というキーワードをよく目にしませんか?
これは、65歳以上の高齢者向けに創設が検討されている新しい非課税制度。毎月お金がもらえる「毎月分配型投資信託」が対象になる見込みで、「年金の足しにできる」と注目されています。
私は現在、「オルカン」として知られる eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) に長期投資しています。今回は、私の投資体験をもとに、オルカンとプラチナNISAで議論されている毎月分配型投信の違いを比較しながら、初心者でもわかるように整理してみます。
目次
1. そもそも「プラチナNISA」とは?
高齢者の“たんす預金”を活用してもらう目的で、65歳以上の方向けに検討されている制度です。制度案の概要は以下の通りです。
比較項目 | 現行 新NISA | プラチナNISA(案) |
---|---|---|
対象年齢 | 18歳以上 | 65歳以上 |
投資対象 | インデックス等(年2回以下の分配型) | 毎月分配型投信を新たに追加 |
年間枠 | つみたて枠120万円+成長枠240万円 | 上限未定(議連提言では最大360万円) |
非課税期間 | 無期限 | 無期限(予定) |
目的 | 資産を“育てる” | 資産を“取り崩す”ためのキャッシュ確保 |
2. 「毎月分配型」ってどんな商品?
毎月、現金でお金を受け取れるタイプの投資信託です。特にリタイア後の方には「年金+α」として活用しやすいという声が多く聞かれます。
メリット
-
毎月現金が入る → 生活費補填に便利
-
相続前に計画的に取り崩せる
-
高配当戦略や為替ヘッジ型など、バリエーションが豊富
デメリット
-
分配金の多くが元本の払い戻しであることが多い
-
分配後に基準価額が下がるため、資産価値の増減が見えにくい
-
インデックス投信より信託報酬が高め
3. 私のオルカン投資状況
私は新NISAのつみたて投資枠と、旧つみたてNISA枠の両方でオルカンに投資しています。
口座区分 | 評価額 | 含み損益 | 損益率 |
---|---|---|---|
新NISA(つみたて枠) | 751,400円 | -63,997円 | -7.85% |
旧つみたてNISA | 1,616,858円 | +454,298円 | +39.08% |
正直、新NISA分は始めたばかりで調整局面の影響もありマイナス。でも、旧NISA分はしっかり育ってきています。この“長期・複利効果”を実感しているからこそ、オルカンには安心感があります。
4. オルカン vs. プラチナNISA(毎月分配型)
では、両者を比べてみましょう。
比較視点 | オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式) | 毎月分配型ファンド(仮) |
---|---|---|
信託報酬 | 年0.05775%(超低コスト) | 年1%前後(高め) |
運用方針 | 世界株インデックス投資で再投資 | 高配当・インカム重視 |
キャッシュ | 自分で売却が必要 | 自動で毎月分配(非課税なら手取り増) |
利益の見え方 | 基準価額が上がっていく | 分配のたびに基準価額が下がる |
対象層 | 20~60代(積立期) | 60代~(取り崩し期) |
5. 月々の分配金シミュレーション(仮)
仮に私が新NISA枠の75万円を毎月分配型に入れていたら?
-
想定利回り:年4.8%(月0.4%)
-
毎月の分配金:約3,000円
-
年間非課税なら約36,000円の手取り増
一見うれしい金額ですが、元本の取り崩しによる可能性が高いため、将来の資産残高が減るリスクも抱えます。
6. 結局どっちを選べばいいの?
あなたがもし…
-
まだ働いている or 年金で生活が回るなら → オルカンで将来資産を育てるのが◎
-
現金が今すぐ必要で、毎月の収入が欲しい → プラチナNISAの分配型でキャッシュ確保もアリ
私自身は、「まだ取り崩すフェーズではない」と判断して、オルカンでの長期積立を今後も継続していく予定です。
7. まとめ:目的とライフステージで選ぶべき
プラチナNISA=“取り崩し型” オルカン=“育てる型”
どちらが良い悪いではなく、目的と人生のフェーズに応じて選ぶのが大切です。
「老後資金の受け取り方をどうするか?」という視点で、今から考えておくと、将来の選択肢がぐっと広がりますよ。
コメント