直近で、
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直近で1ドル157円台→155円台へ急変
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日本国債10年の長期金利が2.23%近辺まで上振れ
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米国まで「日本発の金利上昇」を警戒している
というニュースが流れましたね。
一見すると難しい金融の話に見えるが、実は出発点はかなりシンプルです。
今回の騒動の根っこには、総選挙を前にした政治の「ばらまきコース」がある。
今回の記事では、選挙でのバラマキと金利上昇、為替、米国が警戒する理由までわかりやすく解説していきます。
目次
1. 今回のそもそもの原因は「選挙モードの財政不安」
高市早苗政権は衆院解散を決断し、短期決戦の総選挙に突入した。
その過程で、
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食料品の消費税を2年間ゼロにする案
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物価高対策としての給付・支援策
といった話が前面に出てきた。
短期的には家計に優しそうに見える。
しかし、市場(投資家)が見ているのは別の点だ。
「その分のお金は、どこから持ってくるのか?」
この問いに明確な答えがないとき、市場は必ず次を考える。
「結局、日本政府は借金を増やすのでは?」
2. 国債とは何か(※注釈:超重要)
ここで一度、用語を整理しておく。
日本国債=日本政府の借金
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日本政府が
「お金を借ります」
と発行する借用証書が国債 -
国債を買う人は
「将来、元本と利息を返してもらう権利」を持つ
つまり国債とは、
政府の借金を金融商品にしたものだ。
3. なぜ「国債が売られる」と金利が上がるのか
ここが一番わかりづらいので、丁寧にいく。
国債は発行後も売り買いされる
国債は、一度発行したら終わりではない。
株と同じように、市場で日々売買され、値段が変わる。
これを
既存の国債(すでにある政府の借金)
と考えるとわかりやすい。
価格と金利は逆に動く(例)
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年1万円の利息が出る国債があるとする
100万円で買えた場合
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1万円 ÷ 100万円
→ 利回り1%
人気がなくなり90万円でしか買えなくなった場合
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1万円 ÷ 90万円
→ 利回り約1.11%
👉 利息は同じでも、価格が下がると「金利(利回り)」は上がる
今回起きていること
今回ニュースになっている金利上昇は、
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新しく発行した国債の話ではなく
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すでにある日本政府の借金(国債)が市場で売られ、値下がりした結果
つまり、
日本の長期金利が上がった
=
日本政府の借金の「信用コスト」が上がった
という意味だ。
4. なぜ市場は日本国債を売ったのか
理由はシンプル。
選挙前の減税・給付の話
↓
財源がはっきりしない
↓
「借金が増えそうだ」という不安
↓
今の条件では日本国債を持ちたくない
↓
国債が売られる
↓
金利が上がる
市場は感情ではなく、条件反射で動く。
5. 円が急に動いた理由(レートチェック)
国債が売られ、金利が荒れると、為替も不安定になる。
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財政不安
-
金利変動
-
円安が加速しやすい状況
この「行き過ぎ」を警戒して、
米国の中央銀行(NY連銀)が
ドル円の水準を市場に確認した
という報道が出た。
これは実際に為替介入したわけではない。
しかし市場にとっては、
「当局が見ている」
「行き過ぎたら止める気がある」
という強いメッセージになる。
その結果、ドル円は一気に155円台まで円高に振れた。
6. なぜ米国まで警戒するのか
ここが今回のポイント。
日本の問題は、日本だけで終わらない。
日本国債が売られ
↓
日本の長期金利が上がる
↓
世界の投資家が
「米国債と日本国債、どちらを持つか」を比較し始める
↓
条件次第で米国債も売られる
↓
米国の長期金利が上がる
米国の長期金利が上がると、
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住宅ローン金利が上がる
-
企業の借入コストが上がる
-
景気が冷えやすくなる
つまり米国民の生活コストに直撃する。
だからアメリカは、
「日本発の金利ショック」を非常に嫌う。
7. 私たちの生活への影響(日本側)
今回の減税議論は、
短期の安心と引き換えに、別の請求書を呼び込む可能性がある。
影響の流れはこうだ。
国債売り
↓
長期金利上昇
↓
住宅ローン(固定)や企業金利の上昇
↓
景気の重さ
↓
最終的に、どこかで財政の帳尻合わせ
「税が下がって得した」だけで終わらない点が重要だ。
8. 投資家目線:日本株・高配当銘柄はどう見るか
最後に投資の話。
金利が上がる局面では、高配当株は“選別”が命。
比較的プラスになりやすい
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銀行
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貸出金利の改善が追い風になりやすい
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ただし、債券評価損や景気悪化には注意
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注意が必要
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REIT
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借入コスト上昇で分配余力が圧迫されやすい
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インフラ系高配当株
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ディフェンシブでも金利上昇には弱い場面がある
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重要なのは、
配当利回りの高さ
ではなく
配当の原資(利益・キャッシュフロー)と財務の強さ
金利が荒れる局面ほど、雑に買うと危ない状況です。
最後に:この局面で、私たちはどう行動すべきか
今回の円急騰と金利上昇が示しているのは、
「目先の得を取りに行くほど、中長期の負担が大きくなりやすい局面に入った」
という現実だ。
消費税の一時的な減税や給付は、確かにその瞬間の家計を助ける。
しかし、その裏側で日本政府の借金(国債)に不安が広がれば、
金利上昇・為替変動という形で、より大きな影響が生活と資産に跳ね返ってくる。
だから、いま重要なのは「得か損か」ではなく、
どれだけ“耐えられる構造”を持っているかだ。
生活面では、
-
住宅ローンや大きな支出を
「金利が低い前提」で考えない -
円安・円高の振れがあっても
生活が破綻しない支出水準を保つ -
一時的な減税を
恒久的な可処分所得増と勘違いしない
つまり、
「今は楽になる」より「後で苦しくならない」設計を優先することが重要になる。
投資面でも考え方は同じだ。
金利が上がる局面では、
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高配当だから安全
-
ディフェンシブだから下がらない
といった単純な判断は通用しにくい。
見るべきなのは、
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配当の原資となる利益やキャッシュフロー
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借入の多さと金利上昇への耐性
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金利や景気が変わっても稼ぎ続けられるか
**「配当利回り」ではなく「事業と財務の耐久力」**だ。
政治イベントや短期的な相場変動は、株価を大きく動かす。
だが、それに振り回されて売買を繰り返すより、
最終的に残るのは、
金利が上がっても、為替が荒れても、淡々と稼げる企業であることが多い。
今回の一連の動きは、
政治・財政・金利・為替・米国経済が、
もはや切り離せない段階に入ったことをはっきり示した。
だからこそ、
目先の甘さに飛びつかず、
金利と借金を前提に、
生活も投資も「壊れにくい形」にしておく
これが、2026年初頭の環境で取れる、
最も現実的で、最も再現性の高い行動だと思います。


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