目次
はじめに
『やりたいことが見つかる 世界の果てのカフェ』は、人生に迷った主人公が不思議なカフェに立ち寄り、3つの質問を投げかけられる物語だ。
その質問は次の3つ。
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あなたは なぜここにいるのか
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あなたは 死を恐れているか
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あなたは 満たされているか
どれも重い問いだが、読み進めるうちにわかる。
すべての土台になっているのは、1つ目の問いだということに。
以下の本文には、ネタバレが含まれますので、嫌な方は閲覧非推奨です。
最重要の問い:「あなたはなぜここにいるのか」
この本で一貫して語られているのは、
「人生の答えは外にあると思い込んでしまうこと」への違和感だ。
作中では、宝地図の例が出てくる。
×印が書かれた地図を渡されると、人はそこに向かって必死に進んでしまう。
でもその×印は、本当に自分が決めたものだろうか?
これは、広告や社会的な成功モデル、
「こう生きるべき」「こうなれば幸せ」という外部から与えられた正解の象徴に見えた。
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この年齢ならこうあるべき
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もっと稼がなければ
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成果を出し続けなければ
知らないうちに、人生の×印を他人に置かれてはいないだろうか。
ゴルフボールと漁師の話が示すもの
本書には印象的な例え話がいくつも出てくる。
ゴルフボールの話では、
「誰にも迷惑をかけていないのなら、自分でボールを動かして楽しめばいい」
と語られる。
また、漁師の話では、
魚釣りが好きなのに、
「将来ゆっくり釣りをするために」必要以上に働き続けることの矛盾が描かれる。
本当に問い直すべきなのは、
将来のために我慢している今は、
本当に自分が望んでいる今なのか?
という点だ。
私たちの意思決定は、想像以上に汚染されている
この本を読んで強く感じたのは、
自分の意思決定が、どれほど外部の価値観に影響されているかということだった。
広告、SNS、成功談、常識。
それらは便利だが、同時に「思考のショートカット」でもある。
気づかないうちに、
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本当に必要ではないものを買い
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本当にやりたいこと以外に時間を使い
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「満たされない状態」を前提に生きてしまう
満たされないから消費する。
消費するから、時間とエネルギーが削られる。
結果、本当にやりたいことがますます遠ざかる。
これは本末転倒だ。
「忙しさ」や「気晴らし」はサインかもしれない
作中では、ウミガメの話も出てくる。
波に逆らえば逆らうほど、疲弊していく。
メール処理や雑務に延々と時間を使い、
人生全体で見れば何百時間、何千時間も消費している。
もし本当にやりたいことに取り組めていたら、
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常に気晴らしを求めたり
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逃げ場を探したり
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何かで埋めようとしたり
する必要は、そこまでないのではないか。
「リラックスが必要」「気分転換が必要」という状態自体が、
本当にやりたいことからズレているサインなのかもしれない。
自分の成功と幸福は、誰が決めてきたのか
この本は、静かに問いかけてくる。
あなたの成功や幸福の定義は、
どれほど他人によって決められてきただろうか?
私たちは、自分が知っている世界・価値観・成功例の中でしか考えられない。
だからこそ、外の世界を知り、他人の視点を学ぶことは大切だ。
ただし、それは答えを借りるためではない。
自分の「好き」を多角的に見つけるためだ。
存在理由は、固定ではなく更新される
本書を通して感じたもう一つの重要な点は、
存在理由は、一生固定されるものではない
ということ。
経験や環境が変われば、
「今の自分が何をしたいか」も変わっていい。
だからこそ、
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立ち止まって考える
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振り返って定義し直す
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今の自分に正直でいる
このプロセスを、何度も繰り返すこと自体が大切なのだと思う。
私が読んで刺さったポイント
この本の怖いところは、読者に「もっと頑張れ」とは言わないのに、読後に勝手に焦りが消えていくところだ。
焦りの正体が「自分の声」じゃなくて、「外部の×印(こう生きるべき)」だったと気づかされるから。
たとえば、宝地図の×印みたいに「ここに行けば幸せ」という座標が置かれると、人はそこに向かってしまう。でも、その×印が広告や世間の空気で作られていたら、ずっと走っても満たされない。満たされないから、また次の×印を探してしまう。これは本書の「広告」や「もっとモノを買う」につながる話と噛み合っていた。
個人的に刺さったのは、「無理に波に逆らうほど消耗する」という感覚。
本当は大事じゃない処理・ノイズ・義務感で一日が削られると、肝心なものに手が届かなくなる。その状態で“気晴らし”に逃げるほど、さらに時間が減る。ここ、めちゃくちゃ現代病だと思った。
おわりに
人生には、大きく2つの選択肢がある。
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存在理由を意識して生きる人生
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何も考えず、ただ生活をこなす人生
後者を選ぶと、気づかないうちに時間は加速し、
「いつの間にか歳を重ねていた」と感じることになる。
この本は、劇的な答えをくれない。
ただ、人生の主語を「社会」から「自分」に戻すきっかけをくれる。
ゴルフボールを、どこに置くか。
どの方向に転がすか。
この本は、やりたいことを“教える”本ではない。
外から置かれた×印を疑い、自分の行動を取り戻す本だ。
そして私の来年は、こういう年にする。
- 主役を一つに絞る
- 余計なことは格下げする
広告とか周りの情報に流されてしまわず、自分が注力すべきことに集中していくことがむしろ大切だと感じました。以上です。



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