目次
1. 決算概要と上方修正のポイント
日本たばこ産業(JT)は、2025年12月期の通期見通しを上方修正し、
年間配当を234円(前回予想+26円) に再増額しました。
これは前期比+40円、前回(7月)に続く2度目の増配です。
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売上収益:3兆4,560億円(前期比+13%)
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営業利益:8,450億円(前期比+2.7倍)
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当期純利益:5,620億円(前期比+3.1倍)
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配当性向:約74.9%
いずれも過去最高水準で、主力のたばこ事業が好調。
トルコ・ロシア・英国などでの紙巻たばこの需要増、
さらに昨年買収した米Vector Groupの寄与もあり、収益構造が強化されています。
2. 販売数量の回復と加熱式たばこの躍進
たばこ製品の総販売数量は、従来見通しの「1%減」から「2%増」に上方修正。
トルコやロシアでは想定を上回る販売が続き、
値上げ効果も重なって利益率の改善に寄与しました。
また、注目すべきは加熱式「Ploom AURA」の好調ぶりです。
2025年1〜9月期の販売数量は前年同期比**+38%。
国内の加熱式シェアは15%**に達し、3位から2位へ浮上。
JTの「RRP(リスク低減製品)」戦略が確実に成果を出し始めています。
3. 為替環境と事業環境
今回の上方修正には為替の追い風もあります。
台湾ドル・ロシアルーブルなど主要通貨の想定を円安方向に見直したことで、
為替によるマイナス影響が縮小しました。
海外比率が高いJTにとって、為替の恩恵は大きく、
グローバル展開の強みが改めて浮き彫りになりました。
4. 配当利回りと私の保有状況
現在の株価は4,925円。
この水準を基にすると、年間配当234円の**予想配当利回りは約4.75%**です。
私はJT株を合計300株保有しており、
年間の配当金は以下の通りとなります。
| 内容 | 数値 |
|---|---|
| 配当単価 | 234円 |
| 保有株数 | 300株 |
| 年間配当(税引前) | 70,200円 |
| 手取り(税引後20.315%) | 約55,939円 |
| 実質利回り(取得単価ベース) | 約7.5%(YOC) |
取得単価が低いため実質利回りは高く、安定配当銘柄としては非常に魅力的な水準です。
5. 株価水準と今後の注目点
JTの株価は52週高値(5,042円)に近い位置にあり、
短期的には利益確定の売りも出やすい局面です。
しかし、業績と配当の両面で強気の修正が入ったことから、
中長期の投資対象としては引き続き有力と考えられます。
今後の注目点としては、
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為替の影響(円高反転時のリスク)
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「Ploom AURA」の海外展開スピード
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紙巻需要の構造的減少を補う加熱式比率の伸び
などが挙げられます。
まとめ
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年間配当を234円に再増額(+26円)
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業績は売上・利益とも過去最高水準に上方修正
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加熱式たばこ好調、グローバル需要も堅調
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配当利回り**4.7%超(取得単価ベース7.5%)**で、安定高配当銘柄としての地位を維持
短期的には高値圏のため様子見でも、
長期で見れば引き続き**「持ち続けて報われる銘柄」**といえるでしょう。



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