2025年8月29日、日本電気硝子(5214)から税引後5,578円の配当金を受け取りました。
今回は1株あたり70円の中間配当で、保有株数は100株。源泉徴収前の配当総額は7,000円でした。
この銘柄は私の中でも比較的長期で保有しているもので、含み益は+73%超、評価額は約45万円に達しています。
株価は直近で4,520円(前日比+1.07%)と堅調に推移しており、増配も継続していることから、高配当銘柄として今後の展開に期待しています。
目次
赤字からのV字回復、そして増益基調へ
2023年の決算では一時赤字に転落した日本電気硝子ですが、2024年にはしっかりと黒字回復。2025年の業績見通しではさらなる増益が見込まれており、
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営業利益:前年比 約4.4倍
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経常利益:前年比+93%
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当期純利益:前年比+40%
という力強い予測となっています。
回復の背景には、ディスプレイ用ガラスの販売価格改善や半導体向け部材の需要拡大、さらに物流コストや製造原価の最適化といったコスト構造の見直しがあります。
特殊ガラス分野での市場優位性
日本電気硝子は、「ガラス」と言っても汎用品ではなく、主に特殊ガラスや超薄型ガラスといった高機能ガラス製品を手がけています。
ディスプレイ用途での強み
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液晶や有機ELなどのパネルに使われる化学強化ガラスを供給。
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折りたたみスマホなどの**UTG(Ultra Thin Glass)**では先端技術を有しており、韓国・中国のパネル大手にも製品を提供。
自動車・建材分野への展開
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自動車向けには軽量・耐熱ガラス繊維を供給。
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建材分野では防火ガラスや光制御ガラスなど高機能製品を展開。
これらの製品は、一見ニッチに見えますが、参入障壁が高く、競争優位性が長期的に維持されやすい領域であることが特徴です。
今後の成長戦略:EGP2028と新技術開発
日本電気硝子は、2023年からスタートした**中期経営計画「EGP2028」**の中で、以下の重点戦略を掲げています。
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半導体・電子部品領域の拡大:サポートガラスや無機基板、プローブカード向け材料など。
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レーザー・医療・宇宙分野への挑戦:ファラデー素子や光アイソレーターなど次世代向け製品を開発中。
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全固体ナトリウムイオン電池の量産化:高温環境下での利用を想定した電池技術。
つまり、単なる景気回復銘柄ではなく、**先端技術に資源を投下している「成長企業」**としての顔を持っている点が大きな魅力です。
配当方針と株主還元姿勢
2025年の年間配当は145円予想(前年比+15円の増配)となっており、配当利回りは約3.2%。配当性向は90%台とやや高めではあるものの、同社はDOE(株主資本配当率)3%以上を目標とした長期的な株主還元方針を掲げています。
さらに**自己株式取得(中期で最大1,000億円)**も進行中であり、株価への下支え+資本効率向上策としても期待が持てます。
今後の投資判断:ホールド? 追加購入?
以下に、現時点での私の判断を整理しておきます。
| 観点 | 評価 |
|---|---|
| 業績見通し | ◎ 増益トレンドに乗りつつあり、赤字からの脱却も明確 |
| 市場優位性 | ◎ 特殊ガラス分野での高い技術力と安定した顧客基盤 |
| 配当戦略 | ○ 高利回り&還元方針ありだが、配当性向が高い点に注意 |
| 株価位置 | △ 含み益が大きいため、急騰時の調整リスクも |
結論としては「ホールド継続」。今後の成長分野の進展や、市場調整のタイミングが来れば「追加購入も検討」したい銘柄です。
おわりに
日本電気硝子は、一見地味な素材株のように見えますが、その実態は**高い技術力と成長志向を持つ「進化型高配当株」**です。配当金という安定収益を得ながら、先端分野に展開する企業の成長を応援するという投資スタイルには、非常に相性が良いと感じています。
今後も配当・業績・事業戦略をウォッチしながら、長期的な資産形成の一角として大切に育てていきたいと思います。





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