日本になぜアマゾンが生まれないか − 「ファイナンス思考 日本企業を蝕む病と、再生の戦略論」を読んで

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コラム

日本になぜアマゾンは生まれないのか

朝倉祐介氏が書いた、「ファイナンス思考 日本企業を蝕む病と、再生の戦略論」は、この一文からはじまります。

日本企業は、高度経済成長・バブル崩壊後、「失われた10年」が20年となり、さらには30年に迫っています。

その間に、米国ではインターネット企業がプラットフォーマーとして成長し、Google、Amazon、FaceBook、Appleなどの企業が市場を支配しています。

この違いはどこにあるのでしょうか。

今回は、「ファイナンス思考 日本企業を蝕む病と、再生の戦略論」を投資家目線で読んで得たことをご紹介したいと思います。

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経営能力がなくても成長できた戦後日本の特殊事情が元凶

第二次世界大戦後の日本語は、朝鮮戦争の特需や人口ボーナスなど追い風に恵まれていました。

そのため、必要なものを大量生産することだけで成長することができました。

このような時代では、財務諸表上だけでデジタルに評価ができ、株主、銀行、企業内で働く従業員ですら、会社の売上や各種利益を重視して意思決定を行います。

ただ、世界の成長が鈍化しコモディティ化が進む現在では、競合企業との競争が激しさを増します。

現代では、短期的な売上・利益を重視した行動が必ずしも会社のビジョン(価値=課題の解決)に紐付かない場合があり、短期的な評価を求めて数字を良くしようとする作為が入ってしまうことを著者は指摘しています。

このように企業のビジョン・価値を第1に考えず経営してきたことが日本企業からプラットフォーマーとなりうる企業が生まれない理由と説いています。

投資家として、短期的な数字だけでなく、【企業のビジョン】を見よう

では、我々投資家に必要なものはなんでしょうか。

投資家として、もちろん財務諸表によるチェックも大切なのですが、長期的なビジョンを軸として行動しているかを評価することが大切です(ファイナンス思考)。

ファイナンス思考とは、長期的な目線に立って将来産むことができる価値(=お金)を最大化する発想、と本書では定義されており、多くの日本企業は、戦後日本の右肩上がりの成功体験があるため「PL脳(損益計算書などの財務諸表を1番に考えること)」に陥ってしまい、企業価値を磨く経営を行う力を失ってしまっています。

ただ、それに加えてその企業が自社のビジョン・価値を最大化するために行動を行なっているかまでHPや決算説明資料をもとに読み解いてみることが大切です。

本書では、
・日立製作所
・関西ペイント
・日本たばこ産業
などがファイナンス思考に基づく行動をしていることを紹介しています。

投資家としても、この企業価値に基づく行動をしているかまで企業を見つめてみることで、よりぶれない投資ができると思いました。

個人として、自分の【価値】を考える

投資家として感じたことは以上のとおりですが、自分個人として持てる時間・資産を目標に向けて最大化する行動を軸を持ってできているのかということを考えさせられました。

投資を行うことはそれ自体が目的ではなくて、何かを成すための手段として方がほとんどではないでしょうか。

ただ近視眼的に投資を行うのではなく、自分の将来価値を最大化するために残された時間・持てる資産を活用することができているか、を改めて考えさせられました。

まとめ

本書は、
・会計
・ファイナンス
をつなぐ入門書の中でも考え方に重きを置いており、専門的な前提知識がなくても理解できました。

読み物としても、企業のIRの背景をする上でも考え方として身につけておくと面白いかと思い、ご紹介でした。

以上です。

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